ガントレットは次第に街のゲームセンターから消えていった。 たった一つ、残っていた筐体は、私の家から歩いて30分ほどの ボーリング場のゲームコーナーにあった。 なんとそこの、設定は、ワンコイン100円で、4000ヘルスという 驚きの設定であった。 (注:ガントレットのディップスイッチの設定で、 ワンコインのヘルスの最大の設定は2000であるので、 ワンコイン2000ヘルス、2クレジットだった。と思われる。) きっとガントレット好きの店員さんか、アルバイトさんがそう設定したのであろう。 そして、私は、部活の無い日の休日には片道30分の道のりもものとせず、 このボーリング場に通ったのである。 ここで、何度もプレイして、面の構成をある程度覚えることができた。 (このころの平均到達レベルは15レベルくらいになった。) T.Sはそのころ、「なるべく自転車を使わない」と言う変なこだわりがあった。 そして往復1時間の道のりを徒歩でこなしていたのだが、 あまりにも私が自転車を使わないので、友人の間では、 「あいつは自転車に乗れないのではないか?」 と言う噂がたつほどであった。 しかし、このすばらしい条件の ボーリング場の筐体も、やがて撤去されてしまうのであった。 そして、その後、しばらくの間、私はガントレットを見ることなく すごすことになった。